事務所としての力
芸能界という世界で祀り上げられれば、それでこそ有名になれると一時期は考えられていた。だからこそあらゆる方法を持ってして所属しているタレントを売りだそうと必死に多額の広告費をつぎ込んでは、あらゆる方法を持ってして宣伝しているもの。ここでいうところのbump.yにしてもそうだ、結成して間もない頃はテレビに舞台、果てはライブなどといったイベント活動にも精力的に活動を行っていた。事務所としてもこれからの新人として売り出していくためにも知名度を身に付けていかなくてはと考えていたのだろうが、結果としてみれば残念ながら決して実ったとは言えない。
テレビについては各々が女優という肩書で活躍しているアイドルではあったが、個人としてもそれなりに活動はしていた。そうした活動をさらに箔付け用としたbump.yというユニットだったが、活動してきた内容を見ると決して成功したとは言えないだろう。音楽活動にしても年間発売されたCDは平均2枚グループ解散となる2014年までに7枚のシングルと3枚のアルバムをリリースしているが、宣伝に掛けた分の利益を取り戻すことが事務所としてできたとは、到底思えない。
売れるかどうかはやってみなければわからない部分もある、ただそれが本当の意味で実を結ぶか否かはかなり厳しいところだろう。何せいくら宣伝にお金をかけたからといってそれが知名度へと繋がるかと思えば、その先に待っているのが人気ということはない。売り出したいがためにあらゆるメディアに出演させるゴリ押しなどと呼ばれる手法には、正直辟易している人もいるだろう。
実るものも実らない
ゴリ押しという言葉が最近良く頻繁に用いられている、というのも業界大手として知られている事務所が看板女優を売り出すためにあれこれとドラマにテレビ、果ては歌などといった方面で活躍できるよう仕事を取って来ては、覚えてもらえるようにと努力していた。お陰で売りだされた女優たちの存在は抜群だったかもしれないが、あとに残されたのは散々たる結果しかない。
確かに知名度という意味では勝っただろう、ゴリ押しすることにより炎上することも承知だったかもしれない。最近では良く『炎上商法』と言った形批判を受けることによって話題を振りまくことが、芸能界で当たり前になりつつある。ではそれで先に話したような松田聖子さん、中森明菜さん、本田美奈子さんといった方々に匹敵する人気が得られるかどうかという話になると、ほぼ間違いなく不可能といえてしまう。
押し出されることで反発する人たちは当然出る、それが注目度を底上げして経済効果が期待できるとも考えられているが結局、それは一時的なものでしかない。時間が経てばその内あっさりと忘れ去られてしまうもの、人気という糧もないタレントに魅力など存在するわけもない、それこそ一般人と罵られる日がいつか来るかもしれないという別の意味での危機感が待っている。また最近ではゴリ押しをしても冷めた反応しか帰ってこないという空振りを見せる時もあり、もはや嫌悪感すら抱かせる経営方針に事務所への批判も高まっているといった声も聴こえているくらいだ。
アイドルは特に憂き目に合う
そういう意味では、Aから始まる48人とか言いながら実際には何人いるんだよというアイドル組織が良い例だ、グループに所属している時こそ絶大な人気があるともてはやされ、その人気のまま卒業してソロ活動も順調に行くと思われていたが、大半は閑古鳥が鳴り響いている状態でお寒いと言われている。それもそう、彼女たちは正直個人で立ってしまうと魅力という魅力がないことに大半のファンが気づいてしまうからだ、グループという限定された空間で、他のメンバーと見比べられることによって偶像崇拝は成り立つ。しかしそれがソロとなってしまうと、一個対象として信仰するに相応しいかどうかという点に出くわしてしまう。
そうなってしまうとファン離れという現象は加速度的に進行し、あっという間に過去の人になってしまう。そう考えたら活動から30年近い時間を芸能界で、しかも表舞台にそこまで頻繁に出ているわけでもない松田聖子さんたちがすごいかが理解できる。人気は移ろいやすいが、それこそ個性という象徴が合ってこそなし得る業といえる。
事務所の力という意味で
事務所としての力関係がこの業界でどれほどの影響力を持っているかが物をいうことになる。力と言っても芸能界を生き抜くために必要な経営としての力ではなく、それこそ所属している女優たちの教育などに対する力の注ぎ方なども大きい。色々と話として耳に聞くこともあるが、押し出されるがゆえに奔放な性格になって、まるで王様にでもなったかのような傍若無人な態度を示す人もいるという。そんなことをしていたら、関係者から毛嫌いされる事はもちろん、良い意味での影響力があまり期待できないだろう。
こうしてみると、芸能界って本当に複雑怪奇であり、現代風の地獄絵図を体現している業界といえるのではないか。